盆と本
盆中日であり、夕方、妻子及び母と墓参する。小雨のなか花火を始めるも、しばらくすると雨脚が強くなり、花火を半分以上残して実家に戻る。この地域ではお墓で花火をする風習があることは、最近テレビや本でよく取り上げられるようになった。現在の墓は私が小学生の頃新しい墓地公園に分骨されたものだが、それ迄はさだまさしの歌にも出てくる寺町の中の寺の境内にあった(今もそれが菩提寺である)。分骨前は、お盆には重箱を持って家族皆で墓へ行き、明るいうちに重箱の食事をとり、暗くなってから花火をして帰った
話が逸れてしまったが、実家に戻ってからの話である。実家の古い箪笥に、僕が結婚前に買った本がしまってある。わが家(マイホーム)にあるのは結婚後に買った本で、どうにか3段カラーボックス1台に収まっている。溢れたものは百均のプラスチック製ボックス及びボール箱のなかである。
母は本の価値を認めない、というか、読まない本には虫(ダニ?)がわく、これを駆除或いはその発生源を絶つには本を捨てるほかなしという思想の持ち主である。この思想のもと、僕の学生時代の教科書や漫画、映画パンフレットの殆どが、そのゴッドハンドの犠牲となった(『焚書坑虫』という!?・・スーパーのゴミ袋や布の端切れは一杯あるのに・・)
そんな訳で、実家に帰った際、極僅かずつであるが、箪笥の中から本を避難させている。なかには古書店から数万円で取り寄せた某作家の全集もあったりするのである。
今回はことし2月に亡くなった谷口ジローが画を担当した「『坊ちゃん』の時代」全5巻と「K」、それと内田春菊の未完の作「クマグスのミナカテラ」を持ち帰る。(『孤独のグルメ』は行方不明だった)
しかし、ここにもゴッドハンドが。もう一台カラーボックスを買うという僕に対し、妻の「置く場所ないよ。」の一言。わが本たちの受難は続くのである。
(クマグス-(文庫版)が出たのは約20年前。続編は無理なのかなぁ・・)
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