漫画を読む

一昨日近藤ようこの作品について触れた。昨年1年間この作家の単行本の大分を読んだのだが、実はその10年間程、漫画自体まったく読んでいなかったのである。再び漫画を読むきっかけを与えてくれたのが、子どもの絵本を借りに訪れた図書館で手にした2冊の漫画であった。8年前に離島から引っ越してきてから、子どもの読み聞かせのために2週間毎に絵本を借りに図書課に通っていた。子どもも大きくなり、自分の貸出カードで好きな本を借りるようになると、10冊中数冊は私自身が読みたい本を借りられるようになった。そんな1年前のある日、絵本8冊を選びあと2冊何をと思っていたところ、漫画コーナーが目がとまった。図書館に漫画コーナーがあることに最初は驚いていたが、その棚に2冊の本が並んでおり、それが「夕凪の街 桜の国」と「星守る犬」だった。2冊とも確か10年ほどまえに新聞の書評欄で紹介されていた記憶があったが読んではいなかった。子どもたちからは何故漫画なんて借りたの?と聞かれたりしたが、大人が漫画を読むのはおかしいと思ったのだろう。とにかくも2冊を読んで、それぞれ感動した。星守る犬の作者は確か、ナマケモノが見てたという、動物ギャグものを描いていたようだが、こんなシリアスな作品も描くのかと思った。夕凪の街については、どちらかといえば桜の国のほうに感動したが、作者に関しては何も知らなかった。只、自分に年齢の近い作者が他にどのような作品を描いているのだろうと興味を持ち、買ってみたのが「この世界の片隅に」だった。これらの作品を読むうちに、漫画というものををまた読んでみたいという気持ちが起こり、実家にしまいこまれていた漫画の文庫版を再び手に取ったのが始まりであった。(漫画のほとんどは母のゴッドハンドにより処分されていたが、文庫版は辛うじて難を逃れていた。)ちくま文庫から出ていた近藤ようこの「見晴らしが丘にて」は、確か就職して間もないないころ買った。なので22,3年前のことになる。勝手に作家晩年時の作品と思っていたがそうでなく、その後多数の作品を発表していることをWEBサイトで知り、それらを読んでみたいと思ったのである。手始めに読んだのが「五色の船」「兄帰る」であった。最初に読んだのがこの2作でなければ他の作品を読み進めようとは思わなかっただろう。五色の船は広島が舞台で、破壊されていない産業奨励会館(原爆ドーム)が出てくる点、こうの史代の2作と共通するという偶然も、何かしら運命的なものを感じ、両女史の作品を読み進めていくきっかけになったのである。

リインの休日

一月ほど書いてみてタイトルをあらためました。劇場或いはDVDで見た映画や、読んだ本について書いています。(20170711ブログ名変更。人生という語が仰々しすぎて…)

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